皆さんご存知のとおり、
シルク(絹)は蚕の繭からとった天然の繊維。その
光沢は古来より珍重されてきた。主成分は蚕が体内で作り出すたんぱく質であるフィブロイン。
蚕の繭から抽出された極細の糸を数本揃えて繰り糸の状態にしたままの絹糸を生糸(きいと)ともいう。これに対して生糸をアルカリ性の薬品(石鹸・灰汁・曹達など)で精練してセリシンという膠質成分を取り除いてより光沢や柔軟さを富ませた絹糸を練糸(ねりいと)と呼ぶ。
また、養殖して作る家蚕絹と野性の繭を使う野蚕絹に分けられる。1個の繭から約800〜1,500mとれるため、天然繊維の中ではもっとも細く(髪の毛の約30分の1)、唯一の長繊維である。
1.
シルクの歴史
2.
シルクの特長
3.
シルク生地の製作
4.
China Princessのシルク生地を使用した商品
【1.シルクの歴史】
シルクの生産は紀元前3000年頃の
中国で始まっていた。
伝説によれば黄帝の后・西陵氏が絹と織物の製法を築いたとされ、一説には紀元前6000年頃ともされる。少なくても前漢の時代には蚕室での温育法や蚕卵の保管方法が確立しており、現在の四川省では有名な「蜀錦」の生産が始められていたという。『斉民要術』によれば現在の養蚕原理がほとんど確立していた事が判明している。
また、北宋時代には公的需要の高まりに伴って両税法が銭納から絹納へと実質切り替えられ(1000年)、以後農村部においても生産が盛んになった。

社長 林による撮影・昔の養蚕の様子
一方、他の地域では
シルクの製法が分らず、非常に古い時代から絹は中国から陸路でも海路でもインド、ペルシャ方面に輸出されていた。これがシルクロード(絹の道)の始まりである。紀元前1000年頃の古代エジプト遺跡から中国絹の断片が発見されている。古代ローマでも絹は
上流階級の衣服として好まれ、紀元前1世紀にエジプトを占領すると絹の貿易を求めて海路インドに進出、その一部は
中国に達した。
だが、ローマでは同量の
金と同じだけの価値があるとされた絹に対する批判も強く、アウグストゥスが法令で全ての人間に絹製の衣類着用を禁じ、マルクス・アウレリウス・アントニヌスは絹製のローブが欲しいという后の懇願を拒絶して模範を示したが、それでも絹着用の流行は留まることはなかった。

社長 林による撮影・昔の繭から糸へ加工する様子
6世紀に絹の製法は東ローマ帝国に入ったが、品質は中国製に及ばず、生産量も多くはなかった。このため中国
シルクは依然として東西貿易の重要な交易品であった。中世ヨーロッパでは1146年にシチリア王国のルッジェーロ2世が自国での生産を始め、またヴェネチアが絹貿易に熱心で、イタリア各地で絹生産が始まった。フランスのフランソワ1世はイタリアの絹職人をリヨンに招いて絹生産を始めた。リヨンは近代ヨーロッパにおける絹生産の中心となる。
ちなみに宗教改革で母国を追われたプロテスタントの絹職人を受け入れたイギリスでは、ジェームズ1世以来、何度も絹の国産化を計画したが本国で蚕を育てる事に悉く失敗し、漸く成功に漕ぎ着けた植民地もまたアメリカ合衆国として独立した。このため、他のヨーロッパ諸国よりも
中国産の良質な生糸を求める意欲が強く、これが英清間の貿易不均衡、更にはアヘン戦争へと繋がっていく遠因となったとする説もある。

社長 林による撮影・絹は東西貿易の重要な交易品
日本にはすでに弥生時代に絹の製法は伝わっており、律令制では納税のための絹織物の生産が盛んになっていたが、品質は中国
シルクにはるかに及ばず、また戦乱のために生産そのものが衰退した(室町時代前期には21ヶ国でしか生産されていなかったとする記録がある)。このため日本の上流階級は常に中国絹を珍重し、これが日中貿易の原動力となっていた。
明代に日本との貿易が禁止されたため、倭寇などが中国沿岸を荒らしまわり、この頃東アジアに来航したポルトガル人は日中間で絹貿易を仲介して巨利を博した。鎖国後も中国絹が必要だったため、長崎には
中国商船の来航が認められて、国内商人には糸割符が導入されていた。

社長 林による撮影・高品質な中国の絹織物
【2.シルクの特長】
1.通気性がいい
1本の長い糸で作られる
シルクは、コットンなどの短い繊維を繋ぎ合わせてできた糸に比べて通気性がよい。
2.美しく上品な光沢
シルクの糸の断面を拡大すると、丸い形ではなく三角形。さらに、シルクの糸の中にもさらに透明の細かい繊維が入っていて、強い光沢を和らげ、上品な光沢になる。
化学繊維ではそこまで再現ができず、光沢が強すぎてシルク同様とは行かない。
3.どの色にも染められる染色性の良さ
王族の衣装などの鮮やかな色の再現が可能。微妙な色の差や細かい絵柄も表現できる。

社長 林による撮影・色鮮やかな中国の皇帝の衣装
その他、軽い、丈夫、柔らかい、吸湿性が良い等の利点がある。
【3.シルク生地の製作】
(1)生糸に向かない蚕を取り除きます。

社長 林による撮影・繭の選別
(2)糸をほぐれやすくするために、繭を煮て膨潤にします。

社長 林による撮影・膨潤した繭
(3)目的の太さの生糸になる様に製糸をします。(糸繰り)

社長 林による撮影・迫力のある糸繰りの機械
(4)ようやく織っていきます。

社長 林による撮影・機織機であっという間
(5)ふわふわの絹織物の完成です。

社長 林による撮影・手触りの良い絹布団
【4.China Princessのシルク生地を使用した商品】

『傾城之恋』_本物シルク×紺色×優雅なミセス・チャイナドレス(オーダーメイドも可能)

『傾城之恋』_本物シルク×優しい花柄×上品なチャイナドレス・ショート(オーダーメイドも可能)

『傾城之恋』_本物シルク×横縞×レトロモダンなチャイナドレス(オーダーメイドも可能)

本物シルク_ 上品ベージュ×フローラルパープルの花柄・レトロなチャイナドレス(オーダーメイドも可能)

『傾城之恋』_ シックな紺色×本物シルク×メンズ・チャイナ服(オーダーメイドも可能)

『傾城之恋』_ 上品パープル×本物シルク×メンズ・チャイナ服(オーダーメイドも可能)
China Princessでは、これから今まで以上に
シルク生地を使用した
チャイナドレスをリリースしていきます。お楽しみに!
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